小一プロブレムって、あっちゃいけないのかなー?

小1プロブレムとは、
入学したばかりの小学生が教室で座っていられなかったり、
集団行動が取れず適応できない状態を指し、十数年前から目立ち始めた。
原因として、基本的な生活習慣の欠如やコミュニケーション能力の不足など、
家庭や社会での育ち方の変化が指摘されている。


 だそう。
 少し前から、「小1プロブレム」と言うことがテレビ報道などで話題となり、
「これはいけない、なんとかしなくては」という流れになってきている。
いろいろな自治体で「小1プロブレムを無くすべく、
取り組みが始まっているようです。

でも、入学したばかりの小学生が教室で座っていられなかったり、
集団行動が取れず適応できないとあるが、
でもこれって当たり前じゃないのかな。

入学式の次の日から、ビシーっと、
クラス全員が授業を受けられないといけないのかな〜。

たとえば、あなたが転職をしたとして、
第1日目から新しい会社で何の混乱もなく、
仕事ができるでしょうか?

新しい環境に慣れるまでの間、うまく適応できずに混乱していたら、
「原因として、基本的な生活習慣の欠如やコミュニケーション能力の不足など、
家庭や社会での育ち方が問題」
と言われるんでしょうか?

大人だって、新しい環境に慣れるには、相当な時間がかかります。

保育園・幼稚園と小学校では、いろんなことが、ものすごーく、違います。

初期の混乱の理由の主なものは、そこから来るものだと思います。

それでも大抵の子は、学校のルールを丁寧に教えていけば、
1ヶ月もすれば、授業で座っていられるし(良い姿勢かどうかは別ですが)、
トイレに行くときには先生に断っていかなければならないといことを理解します。

入学式翌日から、いや入学式当日から、先生の目を見て、おしゃべりをせず、
よい姿勢で字の稽古、そんなことできなくて当たり前だし、
そんなことを子どもにもとめなくてもよいのでは、と思うのです。

小学校1年生では、まずは学校生活というものになれることを第一と考え、
ゆったりとカリキュラムが組んであります。

以前勤めていた小学校では、昔から幼稚園も併設されており、
校長先生が園長も兼ねていました。
その校長先生は、
「小学校の最初の1年間は、園児から小学生への以降期間と思って、
ゆったり見ていけばいいのよ。」
とおっしゃっていましたが、私もこの意見に賛成です。

海軍反省会〜集団の意思決定〜

NHKスペシャル 日本海軍 400時間の証言 3回シリーズ


NHKでこの8月に3回シリーズ放送されていましたが、第3回を、寝てしまって見そびれてしまいました。
今週放送がありましたので、見そびれた第3回と、すでに見た第1回、第2回も録画して、洗濯物をたたみながら見ました。

「海軍反省会」というのは、NHKがつけたのかと思ったら、会合に出席していた海軍OBらでそのように途中から命名したそう。事が事だけに

 「もー、反省してよー、ホント頼むから!」 

と言いたいですが、
昭和555年から始め、ほぼ毎月開かれていたというから、その几帳面さにおどろきます。
やるときめたら徹底的にやる、ここはさすが帝国軍人だなと妙に感心してしまったり。
またそれが問題でもあったわけですが・・・・

すべて見終えた感想としては、これは膨大な組織心理学の資料であり、
「失敗学」 (by 畑村洋太郎教授)の教材ではないか、と思いました。

当時の海軍軍人というのは、日本の中でも最も優秀な人たちです。
どうしてその人たちが、勝てる見込みがないと分かっているのに、このような道を選択したのか?

その理由の主たるものは、第2回の副題でもある「やましき沈黙」です。

思ったことを口に出せない「空気」というのが、当時の海軍上層部にあったと、反省会に出席したOBは言います。また、この計画は現実的な観点から見て無理だ、と現場の担当者が言ったにも関わらず、その発言が省みられなかったということもあったとのことです。

「協調性を重んじるあまりに、周りに流される」という日本人特有の性質だから、といえそうですが、
日本人だからとはいえません。

アメリカにおいても、9.11後、イラクがテロを支援していたというハッキリした根拠もないままに、
武力攻撃の選択をしています。

それに対して、「ノー」といえる雰囲気はありませんでした。
(以前、高校で心理学の授業をしていたときに、
このことをテーマに集団の意思決定の授業をおこないました。
授業の内容はこちら

日本人は、というようりは、人間は誰でも特定の状況におかれると、こうした行動をとるということなのでしょう。
だからしかたないということでも、そうした決定をした人には責任がないというわけではありません。

心理学は、集団の意思決定の傾向について次のような知見を示しています。
 (以前、生徒向けに作った資料から)

集団の意思決定で誤った決定が起こりやすい集団の条件としてつぎのことがあげられる。
1.意志決定を行う集団の凝集性(仲間意識とか団結力といったもの)が非常に高い。
2.集団外部の情報から隔離されている。
3.意志決定者たちが自分たちの相対的な利点を見積もるための、
選択すべき対案を組織的に吟味することをほとんどしない。
4.集団は緊急な決定に到達する必要があるため、ストレス状況に置かれることがたびたびある。
5.集団はほとんと常に非常に指示的なリーダーに支配されている

海軍反省会を見ていると、このすべての条件があてはまっています。


「空気」を読んでしまうことで、思ったことが口にできなくなり、
間違っていると思っていてもだれもそのことを指摘しなくなる・・・

このようなことを考えると、自閉症スペクトラムの人々の
「空気が読めない」という特性は、障害ではなくて、能力ではないかと思えてきます。

また私個人のことで言えば、普段、職場で自分の意見がなかなか通らなくて
歯噛みをすることもありますが、それも悪いことではないのかもしれないと思いました。
自分の意見が何の抵抗もなく、組織のなかですんなりとおってしまうということは、
心地ちのいいことではあるが、怖いことであると。
自分の意見があっさりとおるようになったら、それは何かがおかしいと思わなければならない、と。

ドングリ銀行

香川に帰省するので、香川県内で子どもをつれて遊びに行っておもしろそうなところを探していたら、高松にドングリランドという、里山で遊べる場所があるようだ。


ドングリランドビジターセンターhttp://donguri-net.com/land/index.shtml

HPを見ると、
<平成7年からこの森が、ドングリ銀行の活動拠点となり、森づくりに取り組んできました。これまで、多くの人たちがボランティア活動に参加し、うすぐらく陽のあたらなかった森が、明るく美しい森へと変わってきています。>

おお!かの有名なドングリ銀行の活動拠点とのこと!
ドングリ銀行といえば、

大学卒業した時分、高校の同級生数人で久しぶりに集まり、旧交を温めていたところ、
ニュージーランドのワーキングホリデーから帰ってきたP子ちゃん(その場にはいなかった)
の話しにおよびました。

P子ちゃんに会って話したという、なみちゃんによると・・・・

「P子はんにこないだおうて、話したんや。どっか就職きまったん?ゆうてきいたら、
『銀行に就職したん』いうきん、すごいやん、ゆうたら、
『ちゃうんや、銀行は銀行でもドングリ銀行で。』、
『もう、全国からどんどん送られてくるきん、はよせんかったら、腐るんやー。
腐ったらくさいんやー。』いよったわ。」

とのこと。

P子ちゃんは、ドングリ銀行が立ち上がった当時、県の嘱託職員ということで採用されていたそうですが、今もそこでいるかな〜?

現代の“からすたろう”たち−ニート前年比2万人増の64万人

 先ごろ発表された09年版青少年白書によると、
仕事も職業訓練もしていない若者(ニート)が、
08年は前年比2万人増の64万人となった。
中学、高校時代に不登校だったり中退した人が
ニートになる傾向が強いことも判明した、とのこと。


以前紹介した、八島太郎作の絵本「からすたろう」では、
からすたろうこと“ちび”は、小学校を卒業したのち、家業の炭焼きをついだ。

絵本『からすたろう』〜秋のイベントシリーズ 第2弾「ディスレクシアの子どもたち・・・」 より 

『蟹工船』と『からすたろう』

もちろん、八島太郎の創作であるので、そのままこういう人がいた、
というわけではない。
しかし、八島太郎の同級生にモデルとなる人物がいたそうである。

毎日、はだしで片道2時間の山道を「まいにち、まいにち6年ものあいだ」
歩いて学校に通うことで、
感覚統合療法と同等の効果があったのかもしれない。

さらに、いそべ先生という理解者を得、
小学校最後の学芸会の成功によって、社会に受け入れられている感をしっかりと感じ、
立派な炭焼きとして、社会的な自立を成し遂げた。

からすのなきごえのわずかな違いさえ聞き分ける、
鋭敏すぎるとも言える感覚は山で生き延びるために大いに役にたっただろう。

他人とのコミュニケーションの苦手さは、多少は軽減されたであろうが、
特性はそのままもちつづけたであろう。
しかし、自然相手のシンプルな生活と仕事のスタイルであれば
その特性はさほど障害にはならない。

からすたろうの時代には、「障害」という理解はなかったが、
多少の障害があっても、生まれながらの発達の偏りを補う自然環境があり、
コミュニケーションの苦手な人でも食べていける仕事の形態があった。

残念ながら、現代において炭焼きをして食べていくことは、ほとんど期待できない。
「高度対人化社会」においては、最低限、
「感じのいい挨拶」はできないとまず雇ってくれない。

からすたろうたちにとって、現代は生きにくい社会であることはまちがいないだろう。

そんなことを考えながらNHK福祉ネットワークを見ていたら、
コトバノアトリエ
というところが、専門学校などでコミュニケーションのトレーニングを行い、中退者を減らす取り組み
をしているとのこと。


6歳児の真理

(妹が「保育園が終わって仲良しのすみちゃんとバイバイするの、いやだな〜」というのに答えて)


人はだれでも、いつかおわかれする時がまってるんだよ。


(母:どうして、そんなこと知ってるの?)

ぼくにもそういうことが起こったからだよ。

O保育園のお友だちはみんな別の小学校にいっちゃった。

かなた君はどうして、S小学校にこなかったんだろう、

って考えてたら、わかったんだ。





プロフィール

Author:五百旗頭真子
元文化人のスクールカウンセラー。
カウンセリングのこと、
特別支援教育のこと、
自分の子育て(3人)のことなど。

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