小一プロブレムって、あっちゃいけないのかなー?その3―入学式編―

入学式シーズンになると、入学式でじっと座っていられなくて、
グネグネ、ザワザワしている様子などが報道され、
「これは家庭教育、ひいては地域社会の崩壊です。」
などと識者がコメントしたりしているが、子どもたちが入学式で
騒然としてしまうのは、
別にそういうことではないんじゃないのかなー。と。

そんな大げさなことじゃなくて、もっと別のことじゃないかと思います。

小学校に入学する子どもたちにとって、
小学校の体育館のような広い場所に入ったのは
初めてという子だっているでしょう。
それだけで不安になる子もいます。
不安になると、後ろに座っているはずのお父さん、お母さんの姿を確認して
安心したいがために、きょろきょろ頭を動かしてしまうことになるかもしれません。

またこんなに長時間、椅子に座らされるのは、初めての経験に違いありません。
いったい、いつまで座っていたらよいのか、
いつ終わるのか、
終わったら何かいいことががあるのか?

いつ終わるともしれない、
それも自分には関係のない話(関係が良く分からない話)を、
聞いていられるものでしょうか。

初めての体験なのだから、入学式で子どもたちが、
少々グネグネしたり、ザワザワしたりしたってあたり前ではないでしょうか。

もし、入学式で子どもたちに、「いい子」で座っていてもらいたいならば、
一手間かける必要があるでしょう。

なるべく子どもたちの苦痛を減らすために、式典が長くなりすぎないように配慮するのは
もちろんですが、パワーポイントなどで、式次第を子どもにも分かるように表示し、
終わったものは消していく、
などはどうでしょう?
式の流れがわかるようにしてやり、あとどのくらいで終わるのかを示してあげるだけで、
座っていられる子もいるでしょう。

また、子どもそれぞれの体にあった椅子を用意するのも1つかと思います。
毎年、小学校の入学式をみていて、グネグネしている子は、
用意されている椅子に対して、体が小さすぎるか、
大きすぎることが多いようです。

小さい子は、床に足がつかないため、体を安定させることができず、
足をぶらぶらさせてしまうのです。

体の大きい子は、いかにも窮屈そうに、体を右に向けたり、左に向けたり、
時々伸びをしてみたりしています。
特に体の大きい子は、気の毒に、目立ってしまうのです。
 
ちなみに我が家の長男が今年4月、入学式を迎えましたが、
入学式前日の夕方、学校内にある学童クラブのお迎えがてら
長男を連れて入学式準備の整った体育館に連れて行き、
式次第を読み上げながら、
「あそこの席に、座るんだよ」、
「歌を2回(最初に国歌、最後に校歌)みんなで歌ったら、終わりだよ」
と教えておきました。

当日は、ちょっとグネグネしていた時もありますが、まあまあ座っていました。
式典自体もシンプルで、時間が短かったです。
新1年生にはこのぐらいの長さがちょうどよいかな、と思いました。

小一プロブレムって、あっちゃいけないのかなー?その2---保育園と小学校の違い

前回の記事で、保育園・幼稚園と小学校では、
いろんなことが、ものすごーく違う、
小1プロブレムという現象はその違いから来るものではないか、
ということを書きました。

これだって本当の理由かどうかわかりませんし、
もしそうだとしても理由の一つでしょう。
一応、仮に理由の一つと考えた上で、保育園と小学校の違いについてあげてみたいと思います。
自分の子どもは保育園でしたから、幼稚園のことはよくわかりません。
なので、保育園と小学校の違いを思いつくまま列挙してみます。


<保育園と小学校の違い>

・校舎の広さ

・教室の広さ

・1クラスの人数

・自分用の机と椅子に座っていて、自由に立ち歩かないというスタイル

・先生が教室の前で話をするというスタイル(保育園では、先生がすぐそばにいた。)

・名前の呼ばれ方(保育園では下の名前だが、小学校では苗字で呼ばれる。
下の名前で呼ばれることも低学年ではまだ多いが。)

・時間のつかいかた(45分区切りできめられた時間割がある)

・教室の使い方 (学校では、同じ教室で勉強もし、遊びもし、食事もし、着替えもする。
保育園では、着替えをするスペースはここ、食事をするのはランチルーム、
ブロック遊びは個々、ままごとコーナーはここ、といったように、かなり空間が「構造化」されている。
全部の保育園がこうではないかもしれないが、長男が通っていた保育園はそのように
なっていたので、この場所にきたら、何をする、という場所と求められる行動がセットに
なるようになっており、感心した。)

・暗黙のルール(先生が紙の束を一列目の席の子に置いたら、
その子は自分用の紙を1枚とってから、残りを後ろの席の子に回す。
なにか紙が配られ、その紙に名前を書く欄があったらいわれなくても名前を書く。
などといった数々のこと)

・先生の指示の出し方

・トイレの行き方(保育園では自分が行きたいときに行っていたが、
小学校では先生に断ってから行く)

・学校にいなければならない時間の長さ

・昼食の食べ方(自分たちで配膳をする、片付けをする。残さないで食べなければならない。)

・あつかう紙の量

・あつかう道具の量

・管理しなければならない自分用の道具の種類および量
(教科書・ノート類。体操服上下・赤白帽、上靴、ランチョンマット、それぞれの袋。
防災ずきん、鍵盤ハーモニカ。図書室で借りた本、通学用の帽子、筆箱、鉛筆、
消しゴム、ハンカチ、ちり紙、健康観察カード、色鉛筆・ハサミ・算数ブロック・セロテープ)

・覚えておかなければならないことの量(勉強内容はもちろん、その授業に必要な道具、
朝学校にきたら、連絡帳や宿題を先生に提出すること、その日出された宿題、
学校のきまり、今週の週目標、掃除当番の順・場所、給食当番のやり方、
係りの仕事、校舎内のいろんな場所)


ちょっと思いつくだけでも、これだけの違いがあります。
これほどの違いにも関わらず、わずか1ヶ月ほどで、
完璧ではなくともそれなりに適応できる子どもたちの柔軟さ!
これは、小一プロブレムというよりは、小一ミラクルではないか、と、
違いをリストアップしてみて、感じました。

小一プロブレムって、あっちゃいけないのかなー?

小1プロブレムとは、
入学したばかりの小学生が教室で座っていられなかったり、
集団行動が取れず適応できない状態を指し、十数年前から目立ち始めた。
原因として、基本的な生活習慣の欠如やコミュニケーション能力の不足など、
家庭や社会での育ち方の変化が指摘されている。


 だそう。
 少し前から、「小1プロブレム」と言うことがテレビ報道などで話題となり、
「これはいけない、なんとかしなくては」という流れになってきている。
いろいろな自治体で「小1プロブレムを無くすべく、
取り組みが始まっているようです。

でも、入学したばかりの小学生が教室で座っていられなかったり、
集団行動が取れず適応できないとあるが、
でもこれって当たり前じゃないのかな。

入学式の次の日から、ビシーっと、
クラス全員が授業を受けられないといけないのかな〜。

たとえば、あなたが転職をしたとして、
第1日目から新しい会社で何の混乱もなく、
仕事ができるでしょうか?

新しい環境に慣れるまでの間、うまく適応できずに混乱していたら、
「原因として、基本的な生活習慣の欠如やコミュニケーション能力の不足など、
家庭や社会での育ち方が問題」
と言われるんでしょうか?

大人だって、新しい環境に慣れるには、相当な時間がかかります。

保育園・幼稚園と小学校では、いろんなことが、ものすごーく、違います。

初期の混乱の理由の主なものは、そこから来るものだと思います。

それでも大抵の子は、学校のルールを丁寧に教えていけば、
1ヶ月もすれば、授業で座っていられるし(良い姿勢かどうかは別ですが)、
トイレに行くときには先生に断っていかなければならないといことを理解します。

入学式翌日から、いや入学式当日から、先生の目を見て、おしゃべりをせず、
よい姿勢で字の稽古、そんなことできなくて当たり前だし、
そんなことを子どもにもとめなくてもよいのでは、と思うのです。

小学校1年生では、まずは学校生活というものになれることを第一と考え、
ゆったりとカリキュラムが組んであります。

以前勤めていた小学校では、昔から幼稚園も併設されており、
校長先生が園長も兼ねていました。
その校長先生は、
「小学校の最初の1年間は、園児から小学生への以降期間と思って、
ゆったり見ていけばいいのよ。」
とおっしゃっていましたが、私もこの意見に賛成です。

「女の子は数学ができない」という思い込み

以前つとめていた高校で、校内を歩いていたら、駆け寄ってきた一人の女の子に呼び止められました。
「なあに?」と聞くと、胸に教科書ノート類をぎゅっと抱きしめ、彼女は真剣なまなざしで私に、

「あの、わたし大学で数学をやりたいんですけど、女が数学をやってもある程度の
ところでまでしかいかないって言うじゃないですか。
それでどうしようかと思って・・・」

私はおどろきました。
数学だって、物理だってその子にかなう男子はその学校にいないことを知っていたからです。

そんな彼女でさえ、
「女は数学ができない」
と思い込まされているのです!

私は即座に「女性が数学に向いていないということが証明された研究はないよ」と答えました。

男性・女性で総合的にみるとそういう傾向はあるかもしれません。
しかし個人ベースで見た場合、それは必ずしも当てはまりません。
たとえば、並みの男性とマラソンで金メダルを取った女性を比べてみれば、
女性は、男性よりもマラソンが遅い、ということはありません。

「フィールズ賞とか狙ってるの?」と聞くと、
「そこまでは考えてないけど、ただ、数学を生かした仕事につきたい、
アクチュアリーを目指したい」とのことでした。

数学のノーベル賞といわれる、フィールズ賞を取るような人は、世界にそう何人もいません。
ある程度のところで限界になるのは、男性数学者だって同じでしょう。
数学そのものを追求するのではなく、数学を生かした仕事ならば、
フィールズ賞を取るほどの才能がなくともやっていけるでしょう
(もちろんアクチュアリーだって相当な数学能力が必要ですが)。

その後、彼女は、日本の大学の理系で一番難しい大学に現役合格しました。

もし、彼女が「女は数学が出来ない」という思い込みを持ち続けたままだったら、
どうなっていたでしょう?

もう、10年近く前の話なので、彼女はとっくに大学を卒業し、大好きな数学を生かした分野で活躍していることでしょう。
もちろん、フィールズ賞を狙うような数学者になっていることだって十分あるだろうと思っています。



学校岡目八目「学級崩壊注意報!」

公立私立小中高、10校以上でいろいろなクラス、
先生を見てきたおかげで、4月中の授業の様子を見て、
半年後に「このクラスは学級崩壊になるな」という予想がかなり的中するようになった。

それがわかったからといってなにができるわけではないが。

私が学級を見るときのポイントをあげてみると・・・

1.先生の指示の出し方。

 そのクラスの発達段階に応じた指示の出し方をしていない。
 そういう学級の帰りの会はきまってだらだらしていて長い。内容は主に先生のお説教。
 子どもたちの頭には何も残らず、イライラ感、不満感だけを残して家に帰ることになる。


2.先生の目配りのしかた。

 先生が子どもの目を見ていなくて、どこか宙を見ている。
 これだと先生のメッセージが子どもに伝わらない。
 子どももクラスにいる安心感が持てない。


3.教室整備の仕方。

 学級崩壊のクラスは必ず教室が汚いです。
 教室がきれいなのに学級崩壊になっているクラスは見たことがありません。
 枯れた植木鉢がそのままおいてある。(元はシクラメン?さくらそう?)
 ザリガニが死んだ水槽がそのままおいてある。(ギャー!でもたまにあるんです・・・)
 不要な掲示物がベタベタはってある。

 とはいえ、これについては教室が汚いと学級崩壊になる、というわけではありません。
 教室は汚いけど、授業がなごやかに行われている学級もあります。

といったところでしょうか。

「あー、こういう指示の出し方してると、遅かれ早かれ学級崩壊になるな」
とは思うのだが、それを伝えるか、伝えまいか。

私は教師ではないので、そういうことを言う立場ではもちろんない。
そういうことは教師の領域だと思っている。
本来は教師である管理職の役割だ。

なので、その先生がたまたまよい指示の出し方をされているのを見たときに、
「先生、さっきのああいう指示の出し方だと、1年生でも良く分かるんですね〜。
みんなもビチッと聞いてましたね。なるほど〜、勉強になりました。」
とか言うようにしている。

言えるタイミングがあればだが。

大抵の場合、その先生の気づきのスピードよりも、
学級崩壊が進むスピードのほうがずっと早いので、
結局「学級崩壊」ということに至ることが多い。


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プロフィール

Author:五百旗頭真子
元文化人のスクールカウンセラー。
カウンセリングのこと、
特別支援教育のこと、
自分の子育て(3人)のことなど。

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