「小1プロブレム発生調査」 東京都教育委員会

【視点】「小1プロブレム」ベテラン教員苦悩 環境変化に対応できず11月13日 産経新聞 より

 家庭の教育力低下で基本的な生活規律が身に付いていない小学1年のクラスが荒れる
「小1プロブレム」が、都内の4校に1校の割合で起きている実態が都教委の調査で明らか
になった。
40〜50代の教員が担任のクラスほど問題が発生しており、
「教育」を取り巻く環境の変化に対応できないベテラン教員の苦悩が浮かび上がった格好だ。



新聞記事では、40〜50代の教員が担任のクラスほど小1プロブレムが発生しているというが、
東京都が発表している結果概要をみると、そういうわけではない。

東京都公立小・中学校における第1学年の
児童・生徒の学校生活への適応状況にかかわる
実態調査
「公立小学校第1学年の児童の実態調査」の結果概要
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/press/pr091112/pr091112_s.htm



新聞記事にあるように、「ベテランの教師に小1プロブレムが発生しやすい」というのは、
事実誤認だ。
都のサイトでは年代別の発生率グラフの横に、
「参考」として「平成20年度の年代別都内小1担任」をグラフが並べられている。
これと合わせてみると、小1プロブレム発生率とほぼリンクしていることが分かる。

要するにその年代の教師の数が多いので、発生する数も多くなるのだ。
単に母集団の違いが影響しているにすぎない。

それぞれの母集団の大きさの影響を取り除いた上で、年代別の発生率を出してみないと、
ベテランの教師に小1プロブレムが多いのかどうかはわからない。

また1クラスあたりの人数別でも、発生率が分析されている。
これも調査対象となった学級の
母集団となる実数がわからないので、単純に比較はできない。

でも、この数字は東京都としては発表できないかもしれないなー。

もし、1クラス人数が多い学級で発生率が高い、ということになっていれば
東京都としては都合が悪い。

東京都は40人学級にこだわっており、1クラスあたりの人数を減らすつもりはないからだ。

だた私の実感としては、4月当初、教室をウロウロしたり、出て行ってしまう児童がいるのは、
1クラスあたりの人数が少なかろうが、多かろうが、関係ないように思う。

ただその後の先生の対応のしやすさはちがうだろう。
人数が少ないほうが手立てを立てやすいことは間違いない。

4月に発生した「小1プロブレム」が年度末まで持ち越すケースは
1クラスの人数がどのくらいなのかといった、データもほしいところだ。

小1プロブレム発生の要因として校長・教諭に回答をもとめているが、
その選択肢も適当とは言えない。

要因として回答が多かった順に。

1、児童に耐性が身に付いていなかったこと 

2、児童に基本的な生活習慣が身についていなかったこと

3、家庭の教育力が低下していること

4、担任が個別に教育的な配慮や支援を必要としている児童への指導と
  全体への指導の両方を適切にできなかったこと

5、児童に集団生活での経験が不足していたこと

6、担任が児童の変化に対応した指導ができなかったこと

7、担任に基本的な指導力が欠けていたこと

8、個別に教育的配慮や支援を必要をしている児童に対して、
  学校としての支援体制が整っていなかったこと


この選択肢は、東京都のこの調査を担当した人が「たぶんこういうのが要因なのかな〜」
と考えたことを並べた中から、校長先生や担任の先生が「この中でいうと、これかな」
と○をつけただけのことだ。
だから本当にこれらが要因というわけではないし、この選択肢以外に要因があることも
考えられる。

個人的には、要因4、7、8については、確かにあるかなと思う。

要因1、2、3、5はマスコミとかが好むフレーズですが、要因としてはあてはまることは少ない。
でも、なんとなくみんなが納得するので、こういう要因に飛びつくのだ。
その結果、前倒しで就学前に小学校でやるようなこと、
たとえば一定時間座る練習とか、並ぶ練習とか、
「がまんする」とかそういうことを練習させればよい、ということになるのだ。

でも子どもの発達段階を無視してそういうことをやらせて「慣れさせる」ことは無理があるし、
害にさえなる。

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ビッグイシュー11月1日号「発達障害特集」――その2――

今日は、久しぶりに母校の大学の先生の勉強会にいってきました。
品川駅を降りて、きょろきょろと、ビッグイシューの販売者さんをさがすと、

いました!

駅前の横断歩道を渡ったところに、片手に雑誌を持つ人が。

去年の12月、特別支援教育士の最終試験を受けに行った時も同じところで
買ったので、たぶん同じ販売者さんだと思います。

その時はオレンジ色のつなぎを着ていらっしゃったので、
そっちの印象が強く、お顔を覚えていなかったので、


「いつごろからこちらですか?」
とおたずねすると、

「去年の1月からです」

とのこと。

じゃあ、やっぱり、あのときの私の「幸福のサンタクロース」さんだ!

おかげで、「台無しにする回答」をしてしまったにも関わらず、合格できました。
詳しくはこちら→特別支援教育士最終試験〜台無しにする回答〜


お礼の意味も込めて、というわけではありませんが、
3冊買って、1冊は自分用、2冊は勉強会の仲間で、ほしい方にプレゼントしました。
皆さん、発達障害の専門家として働いている人たちです。
ビッグイシューのことを知っている人もいましたし、
まだ知らない人もいましたので、「こんな雑誌があるんですよ〜」
とお伝えしました。


今年の12月、東京で特別支援教育士の最終試験を受ける方、
朝、品川駅前でビッグイシューを買おう!
きっといいことがあるよ。


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ビッグイシュー11月1日号 「発達障害特集第2弾」!

きのう、仕事帰り、自宅の最寄り駅から自転車にのって帰ろうと
していたら、

「おっ」

駅前広場でビッグイシューの販売者さんが!

今までこの駅では販売をしていなかったので、

販売をはじめたんだ〜、

と声をかけたら、まだ試験販売中とのこと。

「どのくらい人が通るのかとか、カウントもしてるんですよ」

だそう。

ここで売れるようになるといいな〜。

10月号をまだ買っていなかったので、

1部いただきました。

パラパラめくって巻末の次号の案内を見ると、

「発達障害特集 第2弾」

これは見逃せない!

ビッグイシューのサイトによると、

杉山登志郎 先生と 服巻智子 先生 のインタビューも掲載されているもようです。

発達障害・特別支援教育関係者のみなさん、

11月は駅前でビッグイシューの販売者さんをさがして

11月1日号をお買い上げください。


ビッグイシューは1991年にロンドンで生まれ、日本では2003年9月に創刊されました。
ホームレスの人の救済(チャリティ)ではなく、仕事を提供し自立を応援する事業です。
1冊300円で販売。160円が販売者の収入になります。

小一プロブレムって、あっちゃいけないのかなー?その3―入学式編―

入学式シーズンになると、入学式でじっと座っていられなくて、
グネグネ、ザワザワしている様子などが報道され、
「これは家庭教育、ひいては地域社会の崩壊です。」
などと識者がコメントしたりしているが、子どもたちが入学式で
騒然としてしまうのは、
別にそういうことではないんじゃないのかなー。と。

そんな大げさなことじゃなくて、もっと別のことじゃないかと思います。

小学校に入学する子どもたちにとって、
小学校の体育館のような広い場所に入ったのは
初めてという子だっているでしょう。
それだけで不安になる子もいます。
不安になると、後ろに座っているはずのお父さん、お母さんの姿を確認して
安心したいがために、きょろきょろ頭を動かしてしまうことになるかもしれません。

またこんなに長時間、椅子に座らされるのは、初めての経験に違いありません。
いったい、いつまで座っていたらよいのか、
いつ終わるのか、
終わったら何かいいことががあるのか?

いつ終わるともしれない、
それも自分には関係のない話(関係が良く分からない話)を、
聞いていられるものでしょうか。

初めての体験なのだから、入学式で子どもたちが、
少々グネグネしたり、ザワザワしたりしたってあたり前ではないでしょうか。

もし、入学式で子どもたちに、「いい子」で座っていてもらいたいならば、
一手間かける必要があるでしょう。

なるべく子どもたちの苦痛を減らすために、式典が長くなりすぎないように配慮するのは
もちろんですが、パワーポイントなどで、式次第を子どもにも分かるように表示し、
終わったものは消していく、
などはどうでしょう?
式の流れがわかるようにしてやり、あとどのくらいで終わるのかを示してあげるだけで、
座っていられる子もいるでしょう。

また、子どもそれぞれの体にあった椅子を用意するのも1つかと思います。
毎年、小学校の入学式をみていて、グネグネしている子は、
用意されている椅子に対して、体が小さすぎるか、
大きすぎることが多いようです。

小さい子は、床に足がつかないため、体を安定させることができず、
足をぶらぶらさせてしまうのです。

体の大きい子は、いかにも窮屈そうに、体を右に向けたり、左に向けたり、
時々伸びをしてみたりしています。
特に体の大きい子は、気の毒に、目立ってしまうのです。
 
ちなみに我が家の長男が今年4月、入学式を迎えましたが、
入学式前日の夕方、学校内にある学童クラブのお迎えがてら
長男を連れて入学式準備の整った体育館に連れて行き、
式次第を読み上げながら、
「あそこの席に、座るんだよ」、
「歌を2回(最初に国歌、最後に校歌)みんなで歌ったら、終わりだよ」
と教えておきました。

当日は、ちょっとグネグネしていた時もありますが、まあまあ座っていました。
式典自体もシンプルで、時間が短かったです。
新1年生にはこのぐらいの長さがちょうどよいかな、と思いました。

小一プロブレムって、あっちゃいけないのかなー?その2---保育園と小学校の違い

前回の記事で、保育園・幼稚園と小学校では、
いろんなことが、ものすごーく違う、
小1プロブレムという現象はその違いから来るものではないか、
ということを書きました。

これだって本当の理由かどうかわかりませんし、
もしそうだとしても理由の一つでしょう。
一応、仮に理由の一つと考えた上で、保育園と小学校の違いについてあげてみたいと思います。
自分の子どもは保育園でしたから、幼稚園のことはよくわかりません。
なので、保育園と小学校の違いを思いつくまま列挙してみます。


<保育園と小学校の違い>

・校舎の広さ

・教室の広さ

・1クラスの人数

・自分用の机と椅子に座っていて、自由に立ち歩かないというスタイル

・先生が教室の前で話をするというスタイル(保育園では、先生がすぐそばにいた。)

・名前の呼ばれ方(保育園では下の名前だが、小学校では苗字で呼ばれる。
下の名前で呼ばれることも低学年ではまだ多いが。)

・時間のつかいかた(45分区切りできめられた時間割がある)

・教室の使い方 (学校では、同じ教室で勉強もし、遊びもし、食事もし、着替えもする。
保育園では、着替えをするスペースはここ、食事をするのはランチルーム、
ブロック遊びは個々、ままごとコーナーはここ、といったように、かなり空間が「構造化」されている。
全部の保育園がこうではないかもしれないが、長男が通っていた保育園はそのように
なっていたので、この場所にきたら、何をする、という場所と求められる行動がセットに
なるようになっており、感心した。)

・暗黙のルール(先生が紙の束を一列目の席の子に置いたら、
その子は自分用の紙を1枚とってから、残りを後ろの席の子に回す。
なにか紙が配られ、その紙に名前を書く欄があったらいわれなくても名前を書く。
などといった数々のこと)

・先生の指示の出し方

・トイレの行き方(保育園では自分が行きたいときに行っていたが、
小学校では先生に断ってから行く)

・学校にいなければならない時間の長さ

・昼食の食べ方(自分たちで配膳をする、片付けをする。残さないで食べなければならない。)

・あつかう紙の量

・あつかう道具の量

・管理しなければならない自分用の道具の種類および量
(教科書・ノート類。体操服上下・赤白帽、上靴、ランチョンマット、それぞれの袋。
防災ずきん、鍵盤ハーモニカ。図書室で借りた本、通学用の帽子、筆箱、鉛筆、
消しゴム、ハンカチ、ちり紙、健康観察カード、色鉛筆・ハサミ・算数ブロック・セロテープ)

・覚えておかなければならないことの量(勉強内容はもちろん、その授業に必要な道具、
朝学校にきたら、連絡帳や宿題を先生に提出すること、その日出された宿題、
学校のきまり、今週の週目標、掃除当番の順・場所、給食当番のやり方、
係りの仕事、校舎内のいろんな場所)


ちょっと思いつくだけでも、これだけの違いがあります。
これほどの違いにも関わらず、わずか1ヶ月ほどで、
完璧ではなくともそれなりに適応できる子どもたちの柔軟さ!
これは、小一プロブレムというよりは、小一ミラクルではないか、と、
違いをリストアップしてみて、感じました。
プロフィール

Author:五百旗頭真子
元文化人のスクールカウンセラー。
カウンセリングのこと、
特別支援教育のこと、
自分の子育て(3人)のことなど。

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